< 目 次 >
1 ツマグロヒョウモンについて
ツマグロヒョウモンはタテハチョウ科のチョウの一種です。1980年代までは、日本では西日本(近畿地方以西)でしか見られませんでしたが、温暖化に伴い、徐々に生息域を広げ、現在では富山県や新潟県でも目撃報告があるとのことです。(詳しくはWiki等をご参照下さい。Youtubeにも、たくさんの動画がアップされています。)
幼虫は、パンジーやビオラなどのスミレの仲間の植物を食べ、他のヒョウモンチョウの仲間が年に1回しか発生しないのに対し、このツマグロヒョウモンは4月から11月まで年4〜5回は発生するそうです。
今回は5月にプランターにビオラを植え、伸びるに任せて庭に出しておいたところ、7月はじめの頃に、どこからかツマグロヒョウモンの成虫が飛来して卵を産んでいきました。その卵が孵化し、一ケ月ぐらいで十数個が蛹になりました。その中でも状態の良いものを選んで撮影に使いました。
今回は5月にプランターにビオラを植え、伸びるに任せて庭に出しておいたところ、7月はじめの頃に、どこからかツマグロヒョウモンの成虫が飛来して卵を産んでいきました。その卵が孵化し、一ケ月ぐらいで十数個が蛹になりました。その中でも状態の良いものを選んで撮影に使いました。
2 使用機器
今回使用した機器は、別に本サイトで掲載している「Webカメラの実験・観察用ツールとしての活用法研究」でも紹介しているWebカメラとミニデスクトップPC(MIniATX)を今回も用いました。ただ、ミニデスクトップPCのOSは前回のUbuntu8.04デスクトップからUbuntu10.04サーバー版に更新してあります。また、そのサーバー機をコントロールするために、ネットワーク接続したノート型PCも用いました。ノート型PCのOSはWindowsXPです。Webカメラで撮影された写真やビデオファイルはサーバー機に保存されますが、保存ディレクトリをsambaを使って、このWindowsノートPCと共有し、必要に応じてWebカメラで撮影されたビデオファイルを確認したり、WindowsPCに取り出せるようにしました。
以下に、使用したWebカメラとサーバー機(Ubuntu10.04サーバー)のスペックを示します。
Webカメラ | 製品名:Logicool Webcam C250 画像センサー:30万画素 ビデオキャプチャー機能 : 最大800×600 (ソフトウェア処理) 静止画キャプチャー機能 : 最大130万画素 (1280×1024) (ソフトウェア処理による) フレームレート : 最大30 フレーム/秒 接続インターフェイス:USB2.0 |
サーバー機 | 製品名: x27D(日本Shuttle社製ベアボーン) CPU : Intel Atom 330 デュアルコア CPU チップセット : Intel 945GC + ICH7 マザーボードの規格 : MiniATX メモリー : 1 x 240ピンDDR2 DIMM 2GB HDD : 規格 2.5インチ インターフェイス;SerialATA 容量;250GB 回転数5400rpm |
3 Webカメラのコントロール用ソフトについて
Webカメラの動作をコントロールするソフトは、上述の「Webカメラの実験・観察用ツールとしての活用法研究」でも紹介している「Motion」というソフトを用いました。このソフトの持つ機能についても上記ページに記載してありますので、ご参照下さい。
はじめは、羽化の過程は長い時間をかけて、少しずつ進むものとばかり思っていました。ですから、「1分間に一枚のスナップショット画像を残す」、という設定をして撮影に望んだのですが、ツマグロヒョウモンの場合は予想に反して、羽化の過程は1分とかからず、あっと言う間に終わってしまうということが分かりました。そして、むしろ問題なのは確認できるような羽化の兆候が見られず、突然始まってしまうので、いったい、記録をはじめるタイミングがつかみ難いということでした。
そこで、motionがもつ「対象の動きを検出したときにビデオファイルとしてそれを保存し始める」という機能を使うことにして、再度撮影に望みました。この動きを検出したときに、対象をビデオファイルに記録するという機能は、motionというソフトのもつ最大の魅力と思っています。しかし、前述の「Webカメラの実験・観察用ツールとしての活用法研究」の中では、この機能の使用例を示せませんでした。今回は偶然(と言っていいと思いますが)、ツマグロヒョウモンの羽化が早かったので、思いがけず、このmotion検出機能の活用例としてここで紹介することができた、というわけです。 このほかの、Motionのパラメータ設定ファイル(/etc/motion/motion.conf)で、特に今回の撮影のために設定したことは、以下の通りです。
デーモン(メモリに常駐するソフト)として起動する : daemon on
フレームレートの最大値 : framerate 30
動体検出のしきい値を300ピクセルとする : threshold 300
ビデオファイルをmsmpeg4形式(拡張子AVI)で保存する : ffmpeg_video_codec msmpeg4
(「Motion」には、他にも多くの設定パラメータがありますが、ここではそれらについては割愛させて頂きます。)
はじめは、羽化の過程は長い時間をかけて、少しずつ進むものとばかり思っていました。ですから、「1分間に一枚のスナップショット画像を残す」、という設定をして撮影に望んだのですが、ツマグロヒョウモンの場合は予想に反して、羽化の過程は1分とかからず、あっと言う間に終わってしまうということが分かりました。そして、むしろ問題なのは確認できるような羽化の兆候が見られず、突然始まってしまうので、いったい、記録をはじめるタイミングがつかみ難いということでした。
そこで、motionがもつ「対象の動きを検出したときにビデオファイルとしてそれを保存し始める」という機能を使うことにして、再度撮影に望みました。この動きを検出したときに、対象をビデオファイルに記録するという機能は、motionというソフトのもつ最大の魅力と思っています。しかし、前述の「Webカメラの実験・観察用ツールとしての活用法研究」の中では、この機能の使用例を示せませんでした。今回は偶然(と言っていいと思いますが)、ツマグロヒョウモンの羽化が早かったので、思いがけず、このmotion検出機能の活用例としてここで紹介することができた、というわけです。 このほかの、Motionのパラメータ設定ファイル(/etc/motion/motion.conf)で、特に今回の撮影のために設定したことは、以下の通りです。
デーモン(メモリに常駐するソフト)として起動する : daemon on
フレームレートの最大値 : framerate 30
動体検出のしきい値を300ピクセルとする : threshold 300
ビデオファイルをmsmpeg4形式(拡張子AVI)で保存する : ffmpeg_video_codec msmpeg4
(「Motion」には、他にも多くの設定パラメータがありますが、ここではそれらについては割愛させて頂きます。)
4 記録された動画
5 ま と め
上記文中でも述べましたが、思いがけずツマグロヒョウモンの羽化のスピードが速かったので、motionというLinux上で動作するソフトの、motion検出機能の活用事例としてここで報告することができました。
他にも、この機能の活用法があるように思えます。 ぜひ、Linuxとともに、このmotionの持つ優れた機能を活用してみましょう。